迷宮の十字路は、2003年に公開された劇場版名探偵コナン第7作。脚本が古内さんに戻りました。そして、第1作から劇場版の監督を務めて来たこだま監督の、最後の監督作品となりました。
　そして。2025年現在に至るまで、回想ではなく、工藤新一本人が登場した唯一の作品になります。

　この作品も、殺人ラブコメ。ラブコメの主役は服部平次と遠山和葉。のように見えますが、実は、この作品の一番芯の部分は、新一と蘭との刹那の出会いです。平和メインのようでいて、一番メインは新蘭なのです。予告は決して嘘予告ではありませんでした。
　ただ、新一の出番があまりにも刹那であったこと、蘭が切ない思いを沢山したことから、当時、結構批判も多かったです。

　平次は、どうせ(新一は)すぐに居なくなるのだから、蘭に会わない方が良いと考えていましたが、たとえわずかの間でも、工藤新一と会ったことで、蘭は確実に、心が救われました。20年の時を経て改めて見直すと、切なさはあるけれど、ラブコメと推理が見事にクロスした、素晴らしい映画だと思います。
　つい最近劇場版を見ることが出来た中国の人が、羨ましいです。